クリスマス会レポート後編 - サンタはすぐそばにいるの -
ある児童が言う。
サンタって、うちのお父さんとお母さんやで。
たこ焼きを焼く僕の横では、まるで、稀代のジャーナリストの如く、一つの事実を言い当てたようなしたり顔をしている。確かに、君の家のお父さんとお母さんが頑張っているのだろう。それはきっと間違いない。親は子どものためになら、サンタにだってなれることもある。
でも、大切なのはそこじゃないんだぜ。
歳をとって、今度君がサンタになる頃に、お父さん、お母さんがなんでサンタになってくれたのかがきっとわかると思う。その時に、自分の子どもにバレるとわかっていても、大切だと思うからサンタになるんだ。だから今夜、我々がサンタになることを許してほしい。
時間だ。
小山が満を持してキッチンからやってくる。手にはアイパッド、頭にはサンタ帽。僕もそれをみて、ポケットからサンタ帽を取り出す。色々あって最初からサンタ帽を被っていたスタッフのにっしーはクリスマスツリーの飾りを身に纏って準備万端だった。
ビンゴ大会やるぞおおおおお!!
わああああああ!!
各方面からころころの子どもたちに届けたいということで世の中にたくさんいるサンタさんたちからたくさんのプレゼントの寄付をいただいた。ぬいぐるみ、おもちゃ、ダウンコート、ものはさまざまだったけど、一つ一つが誰かが大切に使っていたものだった。
それらをこれでもかというくらい袋に詰め、あとは誰がどれを手に取るかは天に、というかアプリ内のビンゴゲームに委ねた。ビンゴが始まるとなかなか揃わない。難しい時間が続き、一人、また一人とビンゴしていく。プレゼントも一つ、また一つと子どもたちの手に渡っていく。
開けたい衝動に駆られる子どもたち。
全力で止める僕。
人のプレゼントを見てしまうと、自分のものがちっぽけに見えてしまうことがあるからだ。
待て、待て。家に帰ってから見てくれ!!
そんな僕の声が響き渡る中、静かに時が終わりを告げた。お迎えがきて、みんながそれぞれのサンタさんのいるお家へ帰っていく。僕たちの聖なる夜は終わった。
後日、数々のご家庭から感謝のメールが届いた。どれも驚きと喜びに満ちたものだった。
僕たちはその喜びを今回、プレゼントを寄付してくださった皆さんにお伝えした。その結果、喜んでくださった。いいニュースが少ない世の中でころころを通じておきた小さな幸せのニュース。ただただ一つの思い出として消えていく前にこうして書き残すことができてよかった。
Merry Xmas(鏡開きはもうすぐだ。)
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