社会と不登校の推移
今回は「不登校」を社会現象として、少しマクロから俯瞰する話を書いてみたいと思います。もしかしたら、機械的に見えてしまうかもしれませんが、全体を俯瞰することで少し安心できる方もおられるかなと思い、この試みに至りました。
数字からみる不登校
突然ですが、小中合わせた9学年の不登校の現状について正しいものは次のうちどれでしょう?
1、不登校の子どもたちは平成24年を機に増加傾向にある
2、不登校の子どもたちは10年近く、横ばいが続いている
3、不登校の子どもたちは平成24年を機に年々改善が見られている
答えは、1です。平成13年で一度ピークに達し、一時減少に向かいますが、平成24年を機に年々増加傾向にあります。続いて、最新の調査で過去最多を記録したのは次のうちどれでしょう?
1、平成13年
2、平成29年
3、平成30年
答えは、3です。実数で見てみましょう。
平成13年:138,722(1000人中約12人)
平成29年:144,031(1000人中約15人)
平成30年:164,528(1000人中約17人)
少子化で子どもたちの数は毎年減っているはずですが、不登校の子どもたちは増加傾向にあります。これだけでは比較しづらいかもしれないので、参考までに同調査の中で最も少ない時期である平成3年時点では次のような数値です。
平成3年:66,817(1000人中約5人)
この結果から平成3年からの27年間、全国で約100,000人ほど不登校の子どもたちが増えていることになります。原因は学業の不振などが挙げられていますが、経済的、文化的な要因など様々なものがあると言われております。現場のフリースクール運営者の方に不登校になるきっかけや理由について伺うと100人いたら100人きっかけや理由があり、一般化することは難しいとのことでした。
国の対応
このような現状を踏まえ、文部科学省は次のような通知を出しています。
不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。
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