繊細なお子さんをもつ保護者の皆様へ vol3 「自分の声に耳を傾けているかい?」
この記事は豊中市でフリースクール「自由な学校 ころころ」の立ち上げに向けて、私、荒川自身がこれまでの子どもたちとの対話の中で伝えたかったメッセージを「繊細な気持ちを持つあなたへ」というテーマでブログにさせていただくシリーズです。
僕があの時伝えたかった子どもたちへのメッセージが保護者の皆様のなんらかのヒントになればと思い、執筆を続けていこうと考えています。
今回はある男の子の沈黙から考えたメッセージです。何もいえない時ってありますよね。
- 自分の声に耳を傾けているかい? -
「……。」
……。
あなたは今、黙っている。僕の前で下を向きながらただただ黙っている。あなたが黙っているのはきっと何か嫌なことがあったからなんだろう。
友達に何か盗られたか?
ここに来る前の授業で嫌なことがあったのか?
はたまた僕のことが嫌いか?(そうではないと信じているが…)
「〇〇くん。なんか、嫌なことがあったら言ってくれへん?」と聞いてみる。無駄とはわかっていながら。あなたは目をこちらに向けるでもなく、どこかにいくでもなく、同じように黙っている。
でも、微かに目の玉は左右に揺れている。口が少し動く。僕はあなたの微妙なサインから声を受け取ろうと見つめている。
周りの賑わいに比して、静かな間が僕らの間を埋めている。
そう。
今、この時にあなた自身の声に耳を傾けてみて欲しい。自分の中で鳴り響くものを掴み取って欲しい。僕のためじゃない。あなた自身のために。
それが自分自身との向き合い方。自分の中で起こっていることないことにするんじゃなくて、それを丁寧に、丁寧に感じとる。今まで自分の気持ちを受け取ってもらえなかったのかい?それを僕に重ねているのかい?
感じてはいけない気持ちなんてない。あなたがその感受性を大切に生きていけることを僕は願っている。まず、そこをちゃんと感じ取って欲しい。
==あとがき===
何もいえずに黙ってしまう子が時々います。大人としてはつい色々と言いたくなりますが、できれば本人の口からその時の気持ち、思いを聞けるといいなと思っています。
学校など集団になるとそういうことは難しくなるかもしれませんが、私たちのフリースクールのようにある程度人数の限られた空間ではこういうことを丁寧にやっていきたいなと思っています。
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