「学校行きたくない」と子どもに言われた時に親としてどうするか?
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ここ数日、「自由な学校 ころころ」のHPのアクセス数が少し伸びています。「フリースクール」と検索された結果のようです。
もしかしたら、学校再開を経て、お子さんの不登校状態や「学校行きたくない」という声と向き合っている親御さんも少なくないのかもしれません。そこで、そんな親御さんに向けてのメッセージを送りたいと思い、本ブログを書かせていただきました。
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▶︎目次
「学校行きたくない」という感情表現
「学校行きたくない」に向き合う
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「学校行きたくない」という感情表現
コロナ禍に生じるストレスには大きく2種類あると思います。
①これまでも存在していた悩みが増幅したり、変化したもの
②コロナ禍に新しく生じた悩み
①これまでも存在していた悩みが増幅したり、変化したもの
例えば受験に関する悩みは今回の騒動が起きていても、いなくても発生していたと思います。ただ、新型コロナによってさらに不確実性が増して混乱が強くなったと言えるでしょう。新型コロナに子どもたちだけでなく、僕たち大人も随分翻弄されています。なので、子どもたちに「ストレスを感じるな」というのはかなり無理があるでしょう。
まして受験は将来の方向性を大きく左右します。何よりその重要性を子どもたちに強調してきたのは私たち大人です。その重みを子ども目線で理解していくことが第一歩だと思います。受験を例に挙げましたが、子どもたちが悩んでいる背景にある信念や価値観の大部分は私たちが何気なく使っている言葉や慣習の中にあるはずです。そのことに気づき、「手放して良いんだよ」と伝えられるものがあれば、そのことを伝え、少しほどいてあげてください。
②コロナ禍に新しく生じた悩み
②の代表格は「感染するかもしれない」という不安でしょう。「感染するかもしれない」気持ちがストレスになるのは、行動制限を伴うからです。
例えば僕自身には次のような行動制限が起きています。
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・電車の中でつり革を持たなくなった。
・マスクをつけて行動するようになった。
・極力、手で顔を触らなくなった
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きっと他にもありますが「感染するかもしれない」という気持ちが僕たちの体を縛り付けています。何が勘所か大人は細かく判断できますが、「全部危険だ」というような漠然とした認識を子どもたちが持っていると何もできなくなっても不思議ではありません。
「きっと大丈夫だから気にしないで」と声をかける代わりに、体を自由に解放する機会を作ったり、表現する機会を作ることも効果的かもしれません。
「学校行きたくない」に向き合う
この記事を書くインスピレーションになったNHKの「学校再開 子どもが「行きたくない」と言ったら?」の4つの提案をまず紹介します。
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(1)強制的に行かせない。
(2)特に体調が悪くて行きにくい場合は、体調の回復に努める。
(3)学校と話し合い、短時間だけ行かせることなどから始める。
(4)本人の状態に合わせたリズムで行かせる。
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非常に具体的で活動の指針なので、「学校いきたくない」といわれた時の具体的な対応としてはこちらを参考にしていただけると良いと思います。その上でお子さんとの対話時に自覚したい2つのことをお伝えさせてください。
▼お子さん本人の気持ち
「学校行きたくない」というお子さんは今、どんな気持ちでいるでしょうか?
「学校行きたくない」とあえて表現している前提には「学校には行かなくてはならない」という信念が本人の中にもあるように伺えます。だから葛藤していると思います。「行かないといけないとわかっているけど、行きたくないという気持ちがある」という本人の中にある揺らぎが垣間見えたら、まずはそのこと気づいてあげてください。
もし、そこに気づけたらそんな揺らぎを伝えてくれたことに感謝を示せると良いかもしれません。というのは、「こんな気持ちを伝えたらお父さん、お母さんを困らせるかもしれない」と不安を感じながら伝えているかもしれないからです。その気持ちを汲み取った上で、先ほどの4つの指針に沿って、対話をしてみてください。きっと、前向きな話ができると思います。
▼関わるあなたの気持ち。
おそらく「学校行きたくない」と言われた時に真っ先に感じるのは驚きや戸惑いでしょう。「待ってました!」とはなかなかならないと思います。予期していない出来事ですから、その驚きや戸惑いは決して間違った感情ではありません。
しかし、その驚きや戸惑いは、次第に「思い通りにならないことへの怒り」や「どうして良いかわからないことによる混乱」に変わっていきます。そして、感情的に動きそうになるのでここが踏ん張りどころです。
最初にやることは自分の気持ちに気づくことです。
繰り返しになりますが、驚き戸惑い、加えて、怒りも混乱も自然な感情です。しかし、それらをぶつけてしまうとお互いに傷ついてしまいます。お子さんを傷つけますが、それと同じくらいあなたも傷つくでしょう。
だから、どうか、踏みとどまってください。
どうか、落ち着いてください。
そのためには自分の気持ちに気づいて、今自分が何のために行動しようとしているのかに気づいてください。そのことが重要なのは次のような理由です。はっきりいうと、あなたのお子さんの葛藤をほどくのはあなたの仕事ではなく、お子さん本人の仕事です。お子さんが今まさにその葛藤をほどこうともがいているのです。それゆえに親心として助けてあげたい気持ちもわかりますが、そこに止まり、お子さん自身が答えを出せるようにサポートしてあげてください。
とても難しいことだと思います。だから一人で、あるいは自分の家族だけでやらなきゃと思わなくて大丈夫です。もし、あなたが豊中にお住まいなら、実際に「自由な学校 ころころ」にきてもらえれば僕たちは力になれると思います。
もちろん、豊中には僕たち以外にも優れた相談者がたくさんおられますのでそちらを利用されるのも良いでしょう。もし、それ以外の地域なら近隣のフリースクールや学校の先生などあなたが信頼できる場所に行ってみてください。
電話相談も紹介しておきます。
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豊中市の場合:少年文化館 06-6831-5300
豊中以外の場合:近隣の自治体名と「教育相談センター」や「子ども家庭支援センター」で検索
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僕たちに相談してくださる方はこちらからご連絡ください
あなたは一人じゃないし、一人にならなくて大丈夫です。思い悩み、苦しくなってしまったら信頼できる人にご相談ください。それがこの記事を書いた僕の願いです。
いつか「あの時は大変だったね」とお子さんと笑い合える日を迎えましょう。
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