仮面ライダーを彷彿とする佇まい。こちらは何を隠そうジャック・オー・ランタンである。去年、はまだ、児童が1名しかいない中、彫刻刀を持ち寄って、カボチャを買ってきて作った。今年もやってみようと思い、子ども食堂企画のコンテンツとして実施した。

誤算だったのは児童の数が増え、業務スーパーのカボチャを買い占め、奥から在庫のカボチャを持ってきてもらうというミラクルを起こすに至ったことは子どもたちには秘密である。

この日は16:00に集合して、カボチャを掘り始める。こども２に対して大人１という人数比で望み、ヒヤヒヤしながら血眼になって怪我しないかを見つめていた。その時だった。

「イタッ」

ハッ…と思い振り返ると血が流れていた…わけではなく、かすり傷ひとつない。「いや、今当たった気がしてんけどなぁ」とのこと。もう、僕をビビらせたいだけなのではないか…。

そんなこんなありつつも、無事にみんなが次々とジャック・オー・ランタンを完成させていく。それぞれの個性が出ていて、面白い。このジャック・オー・ランタンを作る過程で、かぼちゃの中身が大量に取れる。そこで、今夜の食事はカボチャのシチューとカボチャパイ。驚くほどのカボチャづくしではあったものの、美味しく食べてもらえた。

さぁ、帰ろうかと言う空気を醸し出す僕に対して、はしゃぎ回る子どもたち。ついには、「ケイドロやりたい！」といい出すします。齢27。ケイドロと言う単語を聞いたのは何年振りだろうと思いつつ、嫌な予感がした。

「先生、鬼な！」

ケイドロは鬼ごっこじゃない！！

ということで、あえなく公園へ連れ出され、僕は警察として小さな泥棒たちを追いかけ回した。わかったことはまだ全力疾走ができることと、それに伴って２日くらいは筋肉痛が取れないことだった。

2021.11