居場所ってなんだろう?
「自由な学校 ころころは子どもたちがやってきて、それぞれが安心して、自分でやってみたいと思うことに取り組みながら、自分で学びを持ち帰る場所です」
ころころをオープンして3ヶ月以上が経ち、聞かれる度に概ね以上のように答えている。学校に行けたり、行けなかったり、不登校だったり、色々な状況の子どもたちが僕らのもとにやってきた。
相談だけのケースもあれば、今も来てくれているケースもある。
そんな中でころころの価値ってなんなんだろうと思うようになった。もちろん、こういう場所が開いていることに価値がある。そう思って続けてきた。
「教育の専門家じゃないですよね?」
「ビジネスとして続けられるんですか?」
僕の目には批判にも映るような質問を受けることもあったし、実際にご指摘をいただいたこともあった。確かに僕らは教育の専門家でもないければ、ビジネスの専門家でもない。
ころころにはアドバイザリーとして長年地域で子どもの居場所の運営に携わってきた方々や子どもの発達障害に関する専門家の方などがおられる。だからこそ、僕らの至らない点は補ってもらえるような体制になってきている。
もちろん、この日も場所を開けて、そこにご本人がやってきてくれた。
今日は粘土で好きなものを作った。思いのままに粘土をこね、形作り、色を塗った。夢中でその物事に取り組む姿に僕自身はあることに気づいた。僕の悩みというのは、つまり、この場所に価値があるかないかを考えることや、自分たちが運営者として適切かどうかというのはあくまで運営者視点の話であって、子どもたち目線の話ではなかったかもしれない。
この子はこの場所に来て、夢中になって粘土の取り組み自分の好きなものを表現している。そして、それを持ち帰り親御さんに楽しかった瞬間を報告して、素敵な会話が生まれている。
居場所は与えるものではなくて、そこにいる子どもたち自身がまさにその瞬間そこに居ることが大切だと思う。ここでいう居るというのは物理的に体がここにあることではない。心がここにあることだ。夢中になったり、気持ちを伝えたり、人間的なプロセスが展開する場所こそが居場所ではないか。何より僕たちはそんな場所を作っていきたい。子どもたちがその心にあるものをわかちあえる場所でありたい。
今日も来てくれてありがとう。
言葉で伝えることも大切だけど、この場所をそんな空気に満ちた場所にしたい。
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