スイッチが押される時
子どもにはスイッチがある。
いや、本当は僕ら大人にもあるのかもしれない。でもいつ頃からかそのスイッチのありかを忘れてしまうのかもしれない。
先日の水曜日、いつもはお菓子作りをしている子が「コマ撮り」をしたいと唐突に言い始めた。「コマ撮り」とは、物体を少しずつ動かして何枚もの写真を撮影することで、連続再生するとパラパラ漫画のように物体が動いて見えるような動画をつくる撮影のこと。
自宅でやっていてハマったらしい。(なんで自宅でやることになったかは不明)
もちろん、僕はそんなことをやったことがない。
早速、「コマ撮り コツ」で検索する。大人はずるい。すぐに答えを求めるのだから。なんてことを思いながら、いろいろ調べてみるとコツらしいことは2つくらいだった。
1、高さを揃えて撮影する。
2、1秒あたり5枚を目安に撮影する。
なるほど、これなら僕でもできそうだと思い、本人を迎えうつ。レゴも準備して、バッチこい。時間になり、いつものように活動を始める。最初は話しながらレゴを作り、集中しきれずに、「あ〜、今日は30分くらいで飽きるかなぁ」と思い、次の手を考えながら一緒にレゴを作っていた。
そこで、早速数枚写真を撮ってコマ撮ってみる。動画編集アプリを使用し、再生。
お〜
と、ご本人ご満悦。すると、だんだん集中してきたのか、インスピレーションが湧いてきたのか「街を作ろう」と言い始める。2人で一気に街を作りあげ、本番撮影。最終的には250枚程度で1分弱のショートムービーが仕上がった。
活動をする中で、本人の目の色が変わり始めていく。僕が押したのではなく、また本人が押したのでもなく、自然と入ったやる気スイッチ。その瞬間、本人にとって意味のある時間で溢れていく。
楽しさややりがいってのは結局のところそういった内発的なものによってしか作り得ない
のかもしれない。僕たち運営者にはせいぜいその場を大切に温め、見守ることしかできないが、それでもその子たちが勢いづいていく姿は僕らにとってとても嬉しい。
次回もそんな時間にできたらいいなぁと思う。
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