人の気持ちになって考える
「わぁ、不審者や、近づいたらあかんで」
そんな風に二人で僕の方を見ながら話していた。
最初は笑いながら対応していたけど、その後、少しずつエスカレートするので結構本当に傷ついてしまった。子どものいうことだからと流そうかとも思っていたけど、はたと考えた。これって子どもだからといって許される事だろうか。
一人の人として傷ついた自分の気持ちからこの子たちが学ぶことはないだろうかと考えた。そこで、シフォンケーキの焼き時間に伝えてみた。
「なぁ、ちょっといい。そんな風に言われたら悲しいわ。」
二人はピタッと凍りついた。
とても長く感じる沈黙の時間を経て、「僕も傷つくけど、他の友達に言ったりしてないよね。そんなことないと信じてるけど、言いすぎたらあかんで。」と僕が言葉を紡いだ。
その後、心なしか、行動の端々に配慮が感じられた。気を使わせてしまっているといえばそうかもしれない。これでよかったのかはわからない。本当はすきに言葉を発せる言論の自由を補償すべきかもしれない。
それでも僕はよりよく関わることができるようになったと思う。
小学校くらいの時に「人の気持ちになって考えよう」と習った気がする。でも、実際は大人になってからも人の気持ちを考えるのは難しい。
探求は終わらない。正解のない世界では。
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