フリースクールはらいふさんにお邪魔してきた件 - 前編 -
高槻駅からバスに揺られること20分。駅前ビル群の賑やか風景とは打って変わり、ここ「はらいふ」は豊かな自然に囲まれている。この日は少し曇ってはいたものの、山の稜線に霧がかっていて、それが却って美しくもあった。
僕、荒川にも学校に行きたくない時期があった。不登校ではなかったけど、こういう場所があの時の僕に、選択肢として与えられていたら、もしかしたら来てたかもしれないと車窓からぼんやりと思い浮かべていた。
石段を上がり、玄関に着くとスタッフのうのちゃんが迎えてくれた。
ゲストボランティアという立ち位置で参加していたので、僕らは早速掃除に取りかかった。
▼「はらいふ」の日常
子どもたちが続々と登校すると子どもたちと朝のミーティングがあり、連絡事項の確認をしていた。その後、特に何か指示やプログラムが言い渡されるわけでもなく、自然とミーティングは終わっていった。これが「はらいふ」の大きな特徴の一つだと思う。
子どもたちは1日の時間の使い方を自分で決めることになっている。だから、朝の時間に勉強をする子もいれば、ボードゲームをする子、映画を見る子や僕らゲストボランティアと話をする子など、過ごし方は様々だ。訪問時にはらいふ代表のれいさんと何気なく話したことが、そんな「はらいふ」らしさを表していた。
▼「はらいふ」らしさ
「ちょ、荒川、聞いてや」れいさんがいう。
僕とれいさんは一緒に働いていた時期があり、先輩後輩っぽいやりとりの時がある。
「どうしたんですか?」と聞き返す。
「携帯壊れたから買い替えてん。」
「なんかあったんすか?笑」
「この間、川いきたいって言われたから、一緒に川に入ってんけど、ポケットに入れっぱなしにしてて一緒に水没してん笑」
何気ない会話だけど、冷静に考えると2点不思議なところがある。一つは学校の時間中に川に入れることだ。大阪の高槻市の学校現場で時間や場所の制約を超えて、川に入れる学校があるだろうか?もう一つ、先生が川に「連れて行かれている」ところだ。先生が川に連れて行ったのではなく、子どもに連れられて川に入り、彼は携帯を壊したのだった。
▼「はらいふ」の学び
豊かな自然の中で自分の時間の使い方を考える。「はらいふ」には暮らしの中に学びがあり、自然の中で自然に育っていく子どもたちの姿があるように思えた。それは、その育っていくありようを見守る彼らがいるから実現できるものなのだろうと僕には思えた。子どもたちと関わり、スタッフのお二人から色々な話を聞いて、帰り際、れいさんは言っていた。
「なんか一個でも今日楽しかったと思ってもらえたらいいなと思ってやってる。」
暮らし、学ぶ中で、のびのび育っている。それはきっと事実だ。だけど、いつも楽しいわけではないのだと思う。そう、この日もそうだった。そんなリアルは後編で。
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